


プロジェクトの概要
過去から現在までに調査収集された膨大な文化資源を、劣化しない形で永久に保存し未来に継承していきたい。また、そのような文化資源へのアクセス性を高めることによって、多くの人が文化資源を活用できるようにしたい。
ディジタル・シルクロード・プロジェクト(Digital Silk Road Project)は、情報技術と文化研究を融合することによって、こうした目標を実現することを目指しています。すなわち、実物の文化資源のディジタル化に始まり、デジタル・アーカイブの構築、ネットワークを用いたデジタル文化資源の公開、共同作業によるデジタル文化資源への注釈づけなど、多岐にわたる項目に関する研究を進めていく計画です。
当然のことながら、このような大きな問題は、情報学の専門家のみでは解決できません。そこで国立情報学研究所では、いろいろな学問分野における国際共同研究を積極的に進めていくことを考えており、実際に複数の国際機関や国内外の大学との共同研究プロジェクトが進行しています。
今後はこのようにして得られた研究成果をネットワーク上で積極的に公開することにより、研究成果を社会に還元していきたいと考えています。また、シルクロード地域は、現状では必ずしも情報技術の先進地域ではないことから、そのような地域からもデジタル文化資源にアクセスできるような仕組み、例えばデジタルアーカイブに関する教育・訓練などを考えていくことも、重要な課題です。
サブプロジェクト
- バーミヤン・バーチャル・ミュージアム現地における写真撮影や文献・調査報告データに基づき、文化遺産のアーカイブと再現を目指します。特に対象とする地域は、アフガニスタン・バーミヤンの複合文化遺産、例えばタリバンによって破壊されたバーミヤンの大仏などのバーミヤン地域の文化遺産です。
- シルクロードにおけるキャラバンサライシルクロードの街道沿いに点在するキャラバンサライ(隊商宿)は、文化交流の足跡を調べる際には重要な役割を果たします。このキャラバンサライに焦点を合わせたシルクロード研究を進めます。
- 敦煌における調査研究敦煌の洞窟やその内部の壁画などは貴重な文化遺産ですが、そのような壊れやすい文化遺産を保存し広く公開するには、デジタルアーカイブ技術の利用が重要な課題です。このようなデジタル技術の利用に関する研究を進めます。
- 画像処理・地理情報システム・コンテンツ管理・オントロジーなどの応用デジタル文化遺産から情報を抽出しそれを管理するために必要となる情報技術に関する研究を進めます。
共同研究
デザイン(書・印)
印について(制作:川合広太郎)
「數字絲路印」。材は石印材。文字には漢字の基礎となった篆書体をデザインしました。 ユーラシア世界全域にわたって張り巡らされた交易路を、印面に交差する幾何学的な直線で表現しました。印の中心には、その象徴であるシルク「絲」を配しました。
題字について(制作:濱田瑞美)
「數字絲綢之路」。シルクロードで多数出土している漢代の木簡調に仕上げました。
「Digital Silk Road」。人々によって紡がれていった絹の道のイメージを、叙情的にアルファベットで表現しました。
背景の書について(制作:濱田瑞美)


シルクロードの各地の遺跡に、我々は古代の人々の息吹を感じます。その悠久なる時空の推移のイメージを、淡彩であらわしました。
背景の図版について(担当:大西磨希子)








背景に使用した写真図版は、「東洋文庫所蔵」貴重書デジタルアーカイブでもとの画像を見ることができます。
デザインアレンジ(担当:大西磨希子)
上記の印および書ならびに図版を組み合わせてデザインしました。背景の書は、オリジナルの作品をそのまま使用したものと、一部を拡大してアレンジしたものがあります。
ユネスコ世界遺産
ユネスコ世界遺産
シルクロードは貴重な文化遺産が残る地域であり、その中にはユネスコの世界遺産に登録されたものもあります。そこで、ユネスコ世界遺産という観点から、ディジタル・シルクロード・プロジェクトが扱う文化遺産を整理してみましょう。
まず基本情報として、シルクロードに関する概説や地図をご覧下さい。
- シルクロードツアー – DSRイマジナリミュージアム
- ヒストリカルツアー – DSRイマジナリミュージアム
- 貴重書で綴るシルクロード
- 西域文明の発見
次に、地図からユネスコ世界遺産を探して、ディジタル・シルクロードが公開する文化遺産データを見てみましょう。下の地図で、赤いマーカーは本サイトがデータを提供する世界遺産、白いマーカーはその他の世界遺産です。地図には、2014年に登録されたシルクロード天山回廊に含まれる世界遺産、およびシルクロード周辺地域で本サイトと関連する世界遺産を掲載しています。
なお「シルクロード天山回廊」の世界遺産に関して、より詳しい情報はUNESCO World Heritage Centreなどをご覧下さい。また「シルクロード天山回廊」はあくまでシルクロードの一部であり、今後もシルクロードの別の部分が登録される可能性があります。
最後に、ディジタル・シルクロードが公開する文化遺産データのリストを、以下に示します。東から出発して西に進みます。
- 万里の長城 (The Great Wall / 長城(八達嶺、山海關與嘉峪關))
- 天壇:北京の皇帝の廟壇 (Temple of Heaven: an Imperial Sacrificial Altar in Beijing / 天壇:北京皇家祭壇)
- 北京と瀋陽の明・清朝の皇宮群 (Imperial Palaces of the Ming and Qing Dynasties in Beijing and Shenyang / 北京及瀋陽的明清皇家宮殿)
- 頤和園、北京の皇帝の庭園 (“Summer Palace, an Imperial Garden in Beijing” / 北京皇家園林−頤和園)
- 万里の長城 (The Great Wall / 長城(八達嶺、山海關與嘉峪關))
- 小雁塔 (Small Wild Goose Pagoda / 小雁塔)
- 張騫墓 (Tomb of Zhang Qian / 張騫墓)
- 麦積山石窟 (Maijishan Grottoes / 麦積山石窟)
- 万里の長城 (The Great Wall / 長城(八達嶺、山海關與嘉峪關))
- 鎖陽城遺跡 (Site of Suoyang City / 鎖陽城遺址)
- 懸泉置遺跡 (Site of Xuanquan Posthouse / 懸泉置遺址)
- 莫高窟 (Mogao Caves / 莫高窟)
- 玉門関遺跡 (Site of Yumen Pass / 玉門関遺址)
- 高昌故城 (Site of Qocho City / 高昌故城)
- 北庭故城遺跡 (Site of Beiting City / 北庭故城遺址)
- 交河故城 (Site of Jiaohe City / 交河故城)
- スバシ仏寺遺跡 (Site of Subash Buddhist Temple / 蘇巴什仏寺遺址)
- キジル石窟 (Kizil Grottoes / 克孜爾石窟)
- バーミヤン渓谷の文化的景観と古代遺跡群 (Cultural Landscape and Archaeological Remains of the Bamiyan Valley / 巴米揚山谷的文化景觀和考古遺跡)
- ヒヴァのイチャン・カラ (Itchan Kala / 伊钦·卡拉内城)
- バムとその文化的景観 (Bam and its Cultural Landscape / 巴姆及其文化景觀)
